相続税の申告

相続税の申告

改正「相続税」のしくみ

(18)相続と遺贈、どう違う?

遺贈とは、遺言によって財産を無償で他人に与える行為をいう。
したがって、誰に対する遺贈であっても遺贈に変わりないのであるが、相続税法では、法定相続人に対する遺贈を「相続」、法定相続人以外の者に対する遺贈を「遺贈」として区分しており、「遺贈」によって財産を取得した者に対しては、次のような取扱いをすることとなっている。

1. 債務控除

特定受遺者(特定した財産の遺贈を受けた者)は、特定遺贈財産とヒモ付きにある債務については控除できるが、通常の債務控除はできない。一方、包括受遺者(包括して財産の遺贈を受けた者)は、通常どおり債務控除することができる。

2. 未分割財産に対する課税

相続財産の全部又は一部が未分割の場合は、各共同相続人又は包括受遺者は、法定相続分又は包括遺贈の割合に従って財産を取得したものとして課税価格を計算することになる。

3. 生命保険金の非課税

相続を放棄又は相続権を失った法定相続人が受け取った生命保険金は、「相続」ではなく「遺贈」により取得したものとされ、生命保険金の非課税規定の適用はない。

4. 退職手当金の非課税

相続を放棄又は相続権を失った法定相続人が、被相続人の死亡によって被相続人に支給されるべき退職手当金を受け取った場合は、「相続」ではなく「遺贈」により取得したものとされ、退職手当金の非課税規定の適用はない。