相続税の申告

相続税の申告

改正「相続税」のしくみ

(11)相続開始前3年以内の贈与には相続税が!?

相続税法では、相続又は遺贈(死因贈与を含む)により財産を取得した者が、その相続に係る被相続人から相続開始前3年以内に贈与により取得した財産がある時は、その贈与により取得した財産の価額をその者の相続税の課税価格に加算した価額を相続税の課税価格として相続税額を計算し、その計算した相続税額からその贈与財産につき課せられた贈与税額相当額を控除した金額をもって、その者の相続税額とすることとなっている。

ただし、この場合の相続税の課税価格に算入する贈与財産の価額は、相続時の価額ではなく、贈与時の価額によることとされている。つまり、相続人にした相続開始前3年以内の贈与は、相続時に相続財産として取り込まれたうえで相続税額を計算し、そこから贈与時に納めた贈与税相当額を差し引いて、納めるべき相続税額を求めるのである。

ただし、相続開始前3年以内にした贈与でも、次のものは対象にならないこととなっているので、もしも直前対策を考えたいと思うのであれば、次の贈与を検討してみるとよい。

1. 相続人以外にする贈与
2. 贈与税の非課税財産
3. 特定障害者扶養信託として贈与税が非課税となるもの
4. 婚姻期間が20年以上である配偶者に対する居住用不動産又はその取得資金のうち次の部分の金額

イ 相続開始の年の前年以前の贈与で、贈与税の配偶者控除の適用を受けて控除された金額(最高2,000万円)
ロ 相続開始の年にされた贈与で、贈与税の配偶者控除があるとした場合に控除されることとなる金額(最高2,000万円)